【株の基礎を知らなきゃ損をする】移動平均線の計算と売買タイミングのポイント

株の基礎

株のチャートで最もよく目にするテクニカル分析方法である移動平均について紹介します。そもそも移動平均っていったい何者なのか、どのような計算から求められているのかを紹介します。

移動平均線とは何か

移動平均は過去数日間の株価の終値の平均値を示したグラフです。5日移動平均なら過去5日間の終値の平均値、25日平均なら過去25日の終値の平均値となります。移動平均線が右肩上がりのときは、株価が上昇傾向にあり、左肩下がりなら株価は下降傾向にあります。平均日数の異なる移動平均を比較することで、上昇トレンドに変わったか、下降トレンドに変わったのかが確認できます。

移動平均線の計算式

前日の$n$日間の移動平均の計算式は次の式で示されます。

$$(前日の移動平均) = \frac{(1日前の値) + (2日前の値) + ・・・ + (n日前の値)}{n}$$

簡単に言えば$n$日間の平均値になります。

例えば、過去数日間の株価の終値が、次の表のようになったとき昨日と2日前の3日間移動平均を考えてみましょう。

日数昨日2日前3日前4日前
終値100010109901006
値動き

昨日の3日間移動平均は$(1000+1010+990)/3 = 1000$となり、2日前の3日間移動平均は$(1010+990+1006)/3 = 1002$になります。これらをプロットしたものが移動平均線となります。

このように移動平均線は過去のデータと当日のデータの影響割合が等しくなります。したがって、株価の急激な変化が発生した場合でも、移動平均線への影響は大きくありません。また、株価の実際のトレンドよりも遅れて反応するという特性があります。

実用上大きな問題はありませんが、移動平均は過去のデータがなければ計算できません。例えば、20日移動平均では、データのはじまりから19日間は計算ができません。

買い時と売り時

移動平均線では、異なる日数の移動平均を比較し買い時と売り時を判断します。短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に突き抜けた時が、買い時です。これをゴールデンクロスと呼びます。また、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に突き抜けたときが、売り時です。これをデッドクロスと呼びます。

ゴールデンクロスの例

ゴールデンクロス

上の表では青の線が5日間移動平均、オレンジが25日間移動平均、緑が60日間の移動平均です。はじめにゴールデンクロスについてみてみましょう。ゴールデンクロスは短期移動平均線が長期の移動平均線を下から上に突き抜けたときなので、上の図の赤い丸で囲った場所になります。上の図では、短期線が長期線を上回った直後に中期線も長期線を上回っています。この場合は特に強い上昇トレンドと言われます。図のチャートにおいても、ゴールデンクロス発生後から右肩上がりであるのがわかるでしょう。

デッドクロスの例

デッドクロス

デッドクロスは短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に突き抜けたときです。上のチャートでは、赤丸の地点で長期の移動平均線を上から下に突き抜けています。中期・短期線がともに長期線の下に落ち込んでいるので、強い下降トレンドになったといえるます。実際にこの後、株価が下降していることがわかります。

注意点

前述したとおり、移動平均線は過去データを利用しています。そのため、移動平均線の変化は実際の株価の値動きよりも遅れて動きます。つまり、ゴールデンクロスやデッドクロスが発生したときには、トレンドがすでに切り替わっている可能性があります。有名なテクニカル分析の手法ですが、外れることも多いのが現実です。ほかのテクニカル分析と合わせて判断する必要があります。

クイズ

移動平均線の観点から考えると、上のチャートはこの後、上がる可能性が高いか、下がる可能性が高いか?

答え・・・下降する可能性が高い。

実際のチャートを見てみましょう。

赤い丸の部分でデッドクロスの発生しています。さらに短期と中期移動平均線が長期線をそれぞれ上から下に貫いているのがわかります。これは強いデッドクロスで、今後グラフが下降していくと予想できます。なお、実際にチャートを見るときは、移動平均線以外の指標にも注目するようにしましょう。

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