【移動平均の上位版?】MACD線の意味を知ってもっと利益を上げよう

株の基礎

移動平均線は長期線と短期線を比較して売買タイミングを決める方法でした。しかし、移動平均線は実際の値動きよりも遅れて動くため、利益が上げにくいというデメリットがありました。移動平均線よりもさらに値動きの遅延を減らしたMACDというテクニカル指標があります。一体どんなものなのか、どんな計算がされているのかを紹介していきます。

一目でわかるMACD

  • 計算式
    • (MACD) = (長期EMA) ー (短期EMA)
    • (シグナル) = (MACDの単純移動平均線)
    • (ヒストグラム) = (MACD) ー (シグナル)
  • 買い時
    • MACDがシグナル線を上回ったとき
    • MACDとシグナル線が0を上回ったとき
  • 売り時
    • MACDがシグナル線を下回ったとき
    • MACDとシグナル線が0を下回ったとき

MACDとは何か

指数平滑移動平均線と単純移動平均線

MACDは指数平滑移動平均線(EMA)を比較するテクニカル分析の手法です。単純移動平均線(普通の移動平均線)との違いは、最新のデータの比重を倍にして計算することです。上の図は、60日移動平均線と60日指数平滑移動平均線を比較したものです。移動平均線ではとらえにくかった株価の上下に追従できていたり、底値となっている日が移動平均線に比べてよ実際の日付に近いことがわかります。このように移動平均線では実際の株価に遅れて動く特徴がありましたが、MACDではその可能性がより小さくなります。

計算式

MACDの計算式

MACDは期間の異なる指数平滑移動平均線(長期EMA)を比較した指標で次の式で表されます。

MACD$ = ($基準線EMA$)-($相対線EMA$)$

なお、基準線は26日、相対線は12日であるとが多いです。次に、指数平滑移動平均線(EMA)とはどんな計算かを見ていきましょう。

指数平滑移動平均線(EMA)

$n$日間の指数平滑移動平均線は次の式で示されます。

$($今日のEMA$) = ($前日のEMA$)×(1-\frac{2}{n+1}) + ($今日の終値$)×\frac{2}{n+1}$

となります。しかし、この式だとわかりにくいと思いますので、変形して単純移動平均(普通の移動平均線)の式と比較します。

$(\mathrm{今日のEMA})=\frac{(n-1)(\mathrm{前日のEMA})+2(\mathrm{今日の終値})}{n+1}$

$(今日の単純移動平均線)=\frac{(n-1)(前日の移動平均)+(今日の終値)}{n}$

EMAと単純移動平均線は似たような式になりました。EMAでは今日の終値の値段が2倍されているのがわかります。EMAは当日の比重を重く計算されます。つまり、当日の値動きの影響が大きく反映されるのです。

2日間のEMAの例をみてみましょう。

$(2日前EMA) = \frac{(2-1)(3日前EMA)+2(2日前終値)}{2+1} = \frac{(3日前EMA)+2(2日前終値)}{3}$

$(1日前EMA) = \frac{(2日前EMA)+2(1日前終値)}{3}$

$ = \frac{(3日前EMA)+2(2日前終値)}{9}+\frac{(1日前終値)}{3}$

$(今日のEMA) = \frac{(3日前EMA)+2(2日前終値)}{3^3}+\frac{(2日前EMA)+2(1日前終値)}{3^2}+\frac{2(今日の終値)}{3}$

となります。過去のデータほど影響が小さく、新しいデータのほうが影響が大きくなっていることがわかります。株では新しい情報ほど価値が高いので、その点において単純移動平均よりも優れているといえます。

シグナル線とヒストグラム

MACDを使うためには、MACD線との比較が必要です。この比較に使う線をシグナル線といい、MACD線をさらに単純移動平均(9日が多い)したものです。また、MACD線とシグナル線の差をヒストグラムといいます。

$($シグナル$) = ($MACDの単純移動平均線$)$

$($ヒストグラム$)=($MACD$)-($シグナル$)$

買い時と売り時

MACDがシグナルを下から上に突き抜けた(=ヒストグラムがーから+に変わった)ときが、株価が上昇に転じたゴールデンクロスになります。その後、MACDとシグナルが0を超えたときも買い時となります。この2つの条件をともに満たしたときに買うという方法もあります。一方で売り時は、MACDがシグナルを下から上に突き抜けたときになります。ヒストグラムの大きさは、株価の変化の度合いを示しています。ヒストグラムが大きければ、大きな株価の変化が発生していることを示します。

  • 買い時
    • MACDがシグナル線を上回ったとき
    • MACDとシグナル線が0を上回ったとき
    • ヒストグラムがーから+に変わったとき
  • 売り時
    • MACDがシグナル線を下回ったとき
    • MACDとシグナル線が0を下回ったとき
    • ヒストグラムが+からーに変わったとき
  • ヒストグラムの大きさは、株価の変化の大きさ

買い時の例

上のチャートのようにMACDがシグナルを下から上に突き抜けたときが、ゴールデンクロスです。このときが買いのポイントです。条件を厳しくすると、その後MACDとシグナルが0を超えた時が買いです。また、これらを言い換えると、ヒストグラムがマイナスからプラスに変わったときが、買い時です。

売り時の例

上のチャートのように、MACDがシグナル線を上から下に突き抜けた時がデッドクロスで、この時が売り時になります。ヒストグラムがプラスからマイナスに変化した点です。

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